秋山 将次郎さん
有限責任 あずさ監査法人勤務
2022年度イブニングコース入学
体系的、統合的、実践的なカリキュラムのご紹介や、青山ビジネススクールの特色ある科目「青山アクション・ラーニング」等、授業内容を詳しくご紹介します。
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MBAプログラムは、経営を「マーケティング」「組織マネジメント」など機能別に分けて学習していきます。しかし、実際の経営では、それらすべてを考慮して総合的に意思決定しなければなりません。
そうした経営能力を育成するために開発されたのが青山アクション・ラーニングです。それらは、いずれも講義ではなく体験から学ぶように設計されています。
2年次に11科目を設置しており、そのうち7コースを紹介します。
※学生、教員等、掲載内容は執筆当時のものです。
※タイトルを押すと詳細が表示されます。
経営のシミュレーションで海外MBAと競争
模擬取締役会を体験しながら経営実践力を獲得
本科目は、原則として学生4~5名1組で仮想の消費財会社の経営を行います。カーネギーメロン大学など海外のMBAスクールの学生との合同のビジネスシミュレーションゲームを行い、グローバルな競争を体験します。全ての資料は英語で作成し、取締役会でプレゼンテーションを行います。本科目の目的は、マネジメント、マーケティング、財務、会計、オペレーションといった会社機能の全体を把握するとともに、経営者が直面する諸問題(経営計画の策定、取締役会での発表と承認、リスク管理、チーム内の動機付け、株主への情報開示など)を実際に経験することにより問題解決能力を向上させることです。
ビジネスアイデアの創出から事業計画の策定まで体験
起業や新規事業開発に求められるマインド、スキルや知識の習得
論理的、戦略的、実践的な応用を目指す
本科目は、少人数のグループに分かれ、新規事業の事業計画を作成することにより、社内新規事業やソーシャルビジネスも含めた起業する能力を育成することを目的としています。特に、理論と実践の融合を重視し、知の組織化と戦略思考からの実現性の高いビジネスモデルの開発と、顧客開拓を効果的に行えるマーケティング戦略の構築に重点を置き、新たなビジネスの創出を目指します。本科目の特色として、起業家やエンジェル、ベンチャーキャピタリストをゲスト・スピーカーとして招き、実務的面からの評価も受けることにより、実践的な計画作成を行うことが挙げられます。
到達目標は、インタラクティブなグループワークにより、コンピタンスから競争優位をもたらすビジネスモデル戦略を策定し、また、顧客をつかむための実践的なマーケティング方法を見出すことです。グループとして、企業理念やビジネスアイデアの創出からビジネスプランの作成までのプロセスを各自が経験することにより、起業に必要な様々な能力の向上とスキルの獲得を目指します。
わかりやすく言えば、この科目は、MBAの応用的な視点から、自発的かつ創発的な学習と実践のループのプロセスを通じ、各自が起業の覚悟を固めるためのものであり、今後の未来社会を想像しながら、自らの将来について、どのように社会にインパクトを与えることができるのかを各自が自らに問うものだということです。
IR活動、CSR・サステナビリティ、財務政策、ガバナンス体系の理解など、コーポレートコミュニケーションオフィサー(CCO)の能力養成
本科目は、ジェイ・ユーラス・アイ・アール株式会社の寄附講座です。毎回、専門家をお招きし、各分野における最新動向や背景にある考え方、実務における事例などをご講演いただきます。コーポレートコミュニケーションオフィサーに必要な知識と技能の会得を目的とします。具体的には、①証券アナリストや機関投資家の投資分析方法、②投資家広報(IR)、③サステナビリティ経営、④企業の財務政策、⑤長期の企業価値向上策やコーポレートガバナンス、⑥企業情報開示、⑦情報開示政策、⑧企業経営と資本市場との関係(コーポレートコミュニケーション)に対する理解を経て、最後に総合的なプレゼンテーションを行います。
企業分析・評価、ポートフォリオマネジメントの手法を習得
インベストメントチェーンにおける投資家・アナリストの視点で企業を見る目を養う
本科目は、公益社団法人日本証券アナリスト協会の寄附講座です。また、本研究科のMBAプログラムで修得した知識(特にファイナンス・アカウンティング分野の知識)の総まとめ的役割を果たす科目の一つとして位置づけられています。
企業分析をもとに業績予想、投資推奨を行うアナリストレポートの作成と日本株アクティブ運用の疑似体験を行います。講義を通じて財務分析・企業戦略分析の能力の向上を図るとともに企業価値評価の方法を習得することを目標とします。さらに、ポートフォリオの組成を通じて、銘柄選定方法を学ぶとともに、ポートフォリオ管理のためのリスク分析の考え方、パフォーマンスの評価の仕方について学びます。
毎月の運用成果についてはプレゼンテーションを行い、専門家の評価を受けます。本科目の対象はアナリストやファンドマネージャーを志望する学生のみならず、広く金融産業に従事する学生、あるいは機関投資家と対峙する事業会社の財務・IR部門に属する学生、実践を通じてファイナンス・アカウンティング科目を理解したい学生を対象としています。
企業のマーケティング課題へのコンサルティングプロジェクト
製品・サービス開発やブランディング、チャネル政策、コミュニケーション政策など、実際の企業のマーケティング上の課題に対して、チーム毎に調査・分析を行い、組み立てた解決策をその企業へ提示します。そのプロセスは、企業からのオリエンテーションで始まり、顧客のニーズを定量的および定性的に調査・分析したり、自社製品や競合製品を消費者の立場で使用したりと、フィールドワークを中心に実施します。また、先進事例の研究、マーケットリサーチ、デザインシンキングなども取り入れ、提案内容を吟味していきます。
最終的には、企業へ提案内容のプレゼンテーションを実施して、企業から評価を受けます。企業が提案内容を実際に実施する可能性があるので、企業側も真剣に対応してくれ、リアリティの高い学習が繰り広げられています。
これまでの主な連携先企業:
株式会社日立製作所(2023)、株式会社ディー・エヌ・エー(2021、2022)、株式会社ティップネス(2020)、東神開発株式会社(2019)、株式会社パソナ(2018)、東京急行電鉄株式会社(2017)、株式会社明治(2016)、株式会社ティップネス(2015)、キーコーヒー株式会社(2014)
SDGs社会活動の本質を理解し、行政・企業など
様々な関係者をコーディネートして活動する能力を養う
2030年時点での持続可能な社会・環境の実現へ向け、17領域について「SDGs」(持続可能な開発目標)が設定され、行政・企業・市民の各レベルで取り組むことが要請されています。ABSは「社会的責任を果たし、地球市民として活動する創造的リーダー」の養成を研究科の主眼に置いており、SDGs活動に取り組む人材育成は、重要な科目となります。
この授業では、海外の大学およびビジネススクールで盛んなCBL(コミュニティ・ベースト・ラーニング)手法を本格的に取り入れ、企業・団体・地域・行政などとの連携・交流を一層深め、社会の価値創造・伝達・提供(マーケティング)を進化させていきます。受講生は、SDGs社会活動の本質を理解し、自分ごととして活動を構想し、様々な関係者をコーディネートする能力を獲得することができます。時代を反映したABSの特徴ある科目としてご期待ください。
ビジネスマインドと起業家精神で、社会課題の解決に挑む
SDGsやESG,インパクト投資等が進み、ソーシャルとビジネスの境界線が低くなっている一方で、ソーシャルビジネスには、従来のビジネスとは異なるチャレンジがあります。社会課題の解決では、課題の当事者の靴を履き、マルチステイクホルダーの視点で課題を捉え直し、システム思考で課題の全体像を俯瞰することが欠かせません。また、創造的問題解決では、大局的な視点で変化を捉え、「変化の仮説」を描き、短期、中期、長期のインパクトを踏まえた上で、ビジネスモデルを構築することが成功の鍵を握ります。この線形ではない複雑な思考プロセスをチームで体験することは、ビジネスシーンにおける複雑な問題に対処する力を鍛える機会にもなります。
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