平田 裕暉さん(2021年度デイタイムコース入学)
ビジネススクールに進学した理由の1つとして、企業が経営をしながらどのように社会課題に取り組めるのかを学びたいと考えていました。自分自身の海外滞在経験から、アジアの発展途上国と日本の経済格差や、現地に住む人が抱えている複雑に絡み合った社会課題に興味関心があったからです。本授業では、企業経営と社会課題について、「企業のSDGsの取り組み」という観点から理解を深め、これから自分がどのように取り組むべきかの示唆を得たいと考えました。
第一に、SDGsに関する新たな知識や考え方を獲得でき、授業における様々な議論や発表の機会から、自らの成長を実感できたことです。すなわち、SDGsは身近なところにあり、多くの人々に共感を呼び起こす資産であり、共創することが社会課題解決の可能性を広げるという学びです。企業のSDGsケースに取り組む中で、企業内部では、企業の諸活動が身近で当たり前の事実だからこそ、そのSDGsとしての価値に気づいていないということを発見しました。しかも、その事実の裏には様々な人々が関わり、多大な努力によって実現されているストーリーが存在していました。個人や1企業で達成できないことでも、シチズンシップを醸成しながら多くの人々を巻き込みながら共創するコミュニティがあったのです。言い換えれば、SDGsの達成には技術革新などの大きな発明も必要かもしれませんが、隠れたSDGs資産はたくさんあり、それに共感する人々が集まって共創の輪を大きくすることで、実現できる可能性が広がっていくのではないでしょうか。
第二の学びは、自身や相手の立場に関係なく議論し、発表することができるようになったということです。私は、デイタイム学生ですが、この授業でデイタイムコース・イブニングコースを超えてグループワークできたため、社会人の方々の会社での議論の進め方などを直接体験できました。また、年長者に囲まれながらも、臆することなく意見を述べてプロジェクトを進め、成果を出すという姿勢も身につけられたと思います。さらに、この授業は産学連携科目でしたので、社長・副社長など経営幹部にも直にお会いし、成果発表や意見交換ができ、一気に社会人経験ができたことは、とても貴重でした。
今後の行動指針として「理想は求めるが完璧である必要はない。今ある最善策に取り組み、改善しながらSDGsの達成を目指せば良い。」を掲げたいです。授業での学びをもとに、常に情報をアップデートし、正しく物事の背景を理解しながら、できることから取り組んでいくという姿勢を大事にしたいと考えています。その中で、周りの人々を共感で巻き込みながらシチズンシップを醸成し、新しいSDGs価値を共創する社会の実現に、担い手の1人であるという自覚を持って貢献していきたいです。