野間 裕登さん(2021年度イブニングコース入学)
デザイン思考から導き出した新規サービスのアイデアを実現可能なレベルまで落とし込み、実際に民間企業に対してプレゼンテーションを行う機会があったためです。
私個人の目標としてはコンサルタントとして独立を考えており、マーケティングの一連の流れを網羅した人材として力をつけることが直近の目標です。実務としては「サービスの価値を伝える(集客、追客、セールスなど)」、「サービスの価値を深める(CSなど)」は経験しております。今回「サービスの価値自体を作り出す」経験を追加し、より全体像を俯瞰した総合提案を行えるようになること。また、仮説検証型のアプローチではなく、デザイン思考による全く新しいアプローチでサービス開発を経験できることが魅力でした。
自分自身のインサイトの質を高めない限り、メンバーからより良いインサイトは引き出せないというチームマネジメントの観点を得たことが一番の学びです。
まず自分の質を上げるためには、日常生活において目の前の物事をよく観察し、その本質や、奥底にあるものを見抜き、言語化する必要があります。例えば広告を見た際に「ターゲットはだれか?」「キーメッセージは何か?」「目にした人にどうなってほしいのか」などは普段意識すると思います。デザイン思考のプロセスではこれらの視点に加えて、「その広告を目にした時の自分の感情がどう変わったか」「目にしたことで行動が変わったのであれば、なぜ変わったのか」など、感情面と行動面の変化の理由まで言語化する必要があります。その言語化した内容を自らがわかりやすく伝えられるようにならなければ、当然相手の伝えたい内容も引き出せません。
次にメンバーからインサイトを引き出すときに注意すべきことは、普段の自分とその人との接し方により相手から発せられる言葉も異なるという点です。その人が本当に意図している言葉を引き出せる環境を構築できているかが重要です。その人の言語化スキルや普段の考え方、価値観が影響することはもちろんですが、自らのインサイトの質を高め、心理的安全性の高い環境を構築できるかも求められると感じました。
実務上の提案においては、エンドユーザーの感情や行動に焦点を当て、想像し、実際にサービスを自ら利用し、自らの体験をもとに戦略提案を行うようにしています。新しい視点で企業側も気づかない問題発見と本質的な課題提示ができ、より深みを持たせた提案が実現できると感じています。
また、チームマネジメントにおいても応用が可能だと考えております。デザイン思考のシーンに限らず、普段のコミュニケーションにおいても、メンバーの深い洞察を導くサポートをしていきたいと考えています。