ビジネス倫理[必修科目(100番台)]

担当:高橋 文郎教授

磯崎 こず恵さん(株式会社朝日新聞社)(2022年度イブニングコース入学)


磯崎 こず恵さん

授業の概要

「ビジネス倫理」とは、ビジネス的価値基準(利潤や業績)と、倫理的な価値基準(人間としての行いの善悪)を掛け合わせた領域です。ビジネスとして儲かり、かつ倫理的であるにはどうしたらいいのか。「社会的責任を果たし、地球市民として活動する、創造的リーダーの養成」をミッションに掲げるABSにとって、欠かすことができない科目だと言えるでしょう。

授業はまず、倫理学の基本的なフレームワークを学ぶことからスタートします。「帰結主義」「倫理的利己主義」「功利主義」といった考え方について理解を深めた後、ケースレポートを基に、グループディスカッション、クラスディスカッションを繰り返していきます。

ケースで取り上げるのは、国内外の企業が起こした不祥事です。企業と環境問題、ガバナンスといったテーマに沿いながら、経営者、従業員、顧客、資本提供者、社会の視点に立ち、なぜその不祥事が起こったのかを分析します。さらに、企業がとった再発防止策をどう評価するか、不祥事からどのような教訓が得られるかについても考えていきます。ディスカッションでは、毎回自分が気づきもしなかったような論点や考え方が出てきて、視野が広がる楽しさを存分に味わうことができました。

授業で学んだこと

ケースレポートやディスカッションを通じて、「ビジネスとして儲かり、かつ倫理的である」ことへの、自分なりの答えが出せるようになりました。ビジネスと倫理は切り離せないことを改めて認識し、理論的フレームワークから学ぶことができたことは私にとって大きな財産となっています。

企業の不祥事を分析していくと、いくつかの要因が重なって大きな不祥事につながっています。利益至上主義に陥っていなかったか、効率を優先させすぎなかったか、言いたいことが言える職場であったか。経営方針や組織文化、リーダーシップを考える際にも、ビジネス倫理は欠かせない視点であり、まさにすべての働く人にとって不可欠だと感じています。

どう仕事に生きているか

さまざまな判断をするときに、「ビジネスとして利潤があるか」「倫理的に善い行いか」という2つの軸からチェックするようになりました。この2軸を明確に持つことで、自分の判断をより客観視して点検できるようになっただけでなく、改善が必要な時もどうすればよいのか考えやすくなりました。

ビジネス環境が大きく変わる中で、今後、思いがけない事態に直面することもあるかもしれません。その際にもビジネス倫理で学んだことを礎に、自分なりの判断ができると感じています。

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