「マーケティング=企業の価値創造が顧客に確実に受け入れられているか、について様々なケースから学ぶ」
岡﨑 晴子さん(株式会社三越伊勢丹)(2022年度イブニングコース入学)
マーケティングの具体的行動計画の策定、マーケティング結果の評価を多くの実際のビジネスケースを用いて学ぶ授業です。毎回多くの成功と失敗の事例にあたります。
マーケティングはビジネススクールで学ぶ知識の中でも実践が非常に重要になると思います。本講義はインプットよりもアウトプットを重視されるビジネススクールならではの講義スタイルで、まず1人で考える、授業時に教室で2~3人でグループディスカッションし、次にクラスディスカッションとアウトプットを重ねる過程で、級友の意見や先生との対話から刺激を受け、自分の考えを深めて行きます。
授業後には毎回リアクションペーパーを提出しますが、これは自由な個人の意見や感想を宮副先生に伝える機会としてみんな楽しんで行っていたように思います。次回講義の冒頭では、面白いリアクションペーパーが取り上げられ、披露されます。
最終課題はグループワークでクライアント企業にマーケティング提案を行います。チームごとにプレゼンを行い、企業から、生徒からも評価されます。ABSに入学して初めてのグループワークになるので取材に行ったり、チームで喧々諤々意見を出し合いながら一つのプレゼンテーションをまとめる課題は1年生前期の中で最も印象に残る授業となっています。
「マーケティング戦略の評価は企業が創造した価値が顧客に受け入れられているかがポイントである」ということが最も大きな学びでした。
多くのフレームワークを学ぶというよりは、マーケティングミックスの基本フレーム、誰に「ターゲット顧客」/何を「製品戦略」「価格戦略」/どのように「コミュニケーション戦略」「チャネル戦略」に多くのケースを当てはめて、統合が取れているかを考えます。繰り返していくうちに、地力が付いていく実感がありました。
ボトルネックである顧客に受け入れられているかの部分、価値の伝達が正しくなされるためには、どのフレーム部分が合っていないかを見出していきます。
フレームワークの1つのパーツのみが優れていても顧客に価値は伝わらず、最も企業が注力する戦略が正しく顧客に伝わるためには、全ての戦略がそれに則って組まれていることの重要性を学びました。
実際、この「マーケティング」を学び、自らが所属する会社の顧客戦略に対する捉え方が以前と異なるものになりました。これまでは、自社の戦略が顧客にどのように受け入れられているかを全体評価することはありませんでした。しかしながら、この授業を受講した今では、自社の戦略が顧客のどのニーズに効果のあるものなのか、会社の全体戦略の中の整合性が取れているかを分析評価するようになりました。私が企業人として成長するために、本来はCMOの立場でなければ知ることが出来ない視点を今の段階で得られたことが、「マーケティング」を受講したなかでの大きな意義であったと考えています。