三宅 健介さん(2013年フレックスコース入学)
「体験的学習プロジェクト」の1つであるビジネスプランニングは、チームでアイデアを出し合い、年間を通して1つのビジネスプランを作り上げていくものである。知識のインプットよりも、これまでの学びを踏まえたアウトプットを強く求められる。我々もチームディスカッションを通じて多くのアイデアが出るも、「模倣困難性が低い」、「実現可能性が低い」等の理由で100以上が消えていった。こうした中、「自分たちにしか出来ないビジネスとは何か?」を強く意識し、メンバーの持つノウハウとスペシャリティが活きるプランを作り上げた。結果として、外部のベンチャーキャピタリストから個別にお声かけを頂いたり、(一財)学生サポートセンター主催の「平成26年度学生ビジネスコンテスト」で約130のビジネスプランの中からアイデア賞を受賞することが出来た。我々は実際にこのプランニングをビジネスとして稼働させる予定である。
「ビジネスプランニング」の講義を1年間受講して2つの事を強く感じた。
1つ目は、基礎知識の大切さである。アイデアをベースにプランを作る時、1年目に学ぶ基礎的な思考方法やフレームワークを理解していないと、プランニングの過程で考慮する重要な要素に抜け漏れや重複が出る。これらは、講師陣や外部のベンチャーキャピタリストから必ず厳しく指摘される。加えて、この基礎がないと、講義内のプランの公開発表時に、他チームに対して効果的なアドバイスが出来ない。
2つ目は、人間としての徳、人間力の大切さである。チーム内での人間関係はあくまでもフラットで、企業内でのように職務権限は使えない。プランニングを円滑に進捗させるためには、ゴールの共有(外部コンテストで勝つのか、実ビジネスとして立ち上げるのか?)、全体で言うべき事と個別に言うべき事の使い分けや、チームの士気は低下していないか、個人の履修科目等の兼ね合いで過度なロードがかかっていないか等、非常に細やかな気遣いが必要になる。一見、取るに足らない事のようだが、しっかりやる事で、信頼を生み、メンバーのコミットメントは見違えるように変わり、生涯の人間関係が構築される。これは、個人の知識やスキル習得に偏りがちなMBAの中では特殊且つ、貴重な学びと捉えている。
ビジネスプランニングは、知識やスキルの実践と統合に加え、自身を一人の人間として大きく成長させてくれたと自負している。