松村 隆平さん(株式会社ランディックス勤務/2021年度イブニングコース入学)
私は、在籍している会社でIR・財務畑で仕事をしており、かつ個人で株式投資も行っており、職業人としても個人投資家としても企業分析が純粋に好きでした。
一方で、機関投資家がどのように投資判断をするのか、ということについては知見が無く、株式市場に携わっていく上では機関投資家の考え方を理解することは必須だろうと思い履修しました。
実際、機関投資家の方々が講義に来てくださる機会が多くありましたが、そうした現場の声からしか学べないことも多くあったように思いますし、投資判断や銘柄選定、ファンド組成をはじめ、個人での独自学習では触れるのが難しいだろうという情報がたくさんあり、履修してよかったと思っています。
大きく2点あります。
①個別銘柄より全体適格という考え方
株式投資というと一般には「良い銘柄をどれだけ上手く探すか」というイメージが先行すると思います。確かに、個別の銘柄が大事なのは間違いないのですが、100億円(常時30銘柄程度を保有)のファンドを疑似的に運用する中では、1銘柄の成績よりも、「より大きなトレンドや流れにどのくらいフィットした考え方ができていたか?」の方が圧倒的に運用成績にはインパクトがあったように思います。
投資金額が大きくなることでリスク分散という視点が鮮明になり、ゆえに大枠のコンセプト、業界から投資の方針決定を行うというのは、ある意味必然のプロセスだと思うようになりました。
個人レベルでは異なる部分もありますが、そうした広角視野を持った上で「ではどの銘柄に投資するのか?」と考えるのは非常に有意義だと思います。
②機関投資家の投資判断への理解
私の場合は仕事でIRを担当していますが、株主が個人投資家80%という構成になっており、会社でプライム上場を果たすにあたり機関投資家の投資判断への理解はマストでした。
例えば、利益をどのタイミングで確定させるかは株価や利益額ベースではなく指標べースであること、組成するファンドのコンセプトや運営母体によって想像以上に投資判断が根本から違うことなど、企業の担当者としてではなく、大学院のいち学生だからフラットに聞けた話は多かったとおもいます。
色々ありますが、わかりやすいところでいくと、機家投資家が何を重視するか?どんなところを聞きたいか?に対する理解が深まったことで、投資家とのミーティング時にアピールする内容が変わりました。
また、決算説明資料や外部向けの資料でも不足を自分で発見できるようになったのは大きかったと思います。
ちなみに・・・2022年度の個人としての株の運用成績もなかなかでした(笑)(ファンドマネジメントのおかげなんじゃないかと思っています!)