2022年度アドバンスト・コーポレート・コミュニケーション体験談

担当:伊藤 晴祥教授/岩田 宜子客員教授/小方 信幸先生

「Next Normalとして求められる企業の官房長官役 コーポレート・コミュニケーション・オフィサー(CCO)を養成する科目」

茅野 敦史さん(国際物流企業勤務)(2021年度イブニングコース入学)


茅野 敦史さん

なぜ履修したか

将来、経営戦略部門で企画立案やIR担当として経営に参画できる人材を目指していた中で、1年次には必修科目を中心に経営者にとって必要不可欠な経営スキルを学びましたので、2年次には、社会貢献やサステナビリティについて学ぶことができる科目の履修を検討していました。

アドバンスト・コーポレート・コミュニケーション(ACC)の授業では、IR担当が求められるIR基礎知識をはじめ、経営者が求められる企業価値の向上の本質や最新の資本市場の潮流でもあるサステナブル経営、あるいは中長期で資産運用を考える機関投資家視点も学ぶことができ、多角的な視点で経営に関する広範な知識やスキルを学ぶことができるという特徴が履修の決め手でした。

授業で学んだこと

この科目は、コーポレート・ガバナンスおよびIR関連のコンサルティング会社であるジェイ・ユーラス・アイアール株式会社の寄附講座として運営されており、社外取締役やファンドマネージャーなど著名なゲストから最新のグローバル資本市場の動向や知識を学ぶことができ、実務に活かせる内容の授業プログラムでした。毎回、講義テーマが変わりIRエンゲージメント活動に欠かせないコーポレートガバナンスや財務分析の基礎知識をはじめ、役員報酬、CSV、ESG投資、サステナブル経営など最新動向を押さえた盛り沢山の講義内容となっており、多岐にわたる経営スキルを学ぶことができました。

授業後半では、講義での学びを活かして、ロール・プレイング形式でIR担当者と投資家の両方の立場になってプレゼンテーションを実施することで両眼の経営視点を養うことができました。IR担当者側は、研究対象企業のパーパスや中期経営戦略あるいはESGなどの非財務情報を中心にその企業の特徴を投資家にアピールし、投資家側は、選定した企業が投資すべき対象であるかを財務情報やCSV・ESGの非財務情報など様々な観点から分析し、企業価値評価を纏め発表しました。

ACCの授業を通じて、現代の企業経営に求められる企業価値の向上は、パーパスに根差したサステナブル経営の結果として利益の最大化を実現できる企業であることを学びました。その他に、日本企業は欧米企業と比較して相対的に低い企業価値評価を受けている現状を考えると、そもそも企業価値の向上に繋がる経営やIR活動ができていない、あるいは投資家と「対話」できる能力があるIR担当者が不足しているという課題をもった企業は少なくないと考えています。そういった意味でもCCOの育成を目指すACCの授業は極めて意義深いものだと思います。

最後に、多種多様な領域の専門家の皆様、先生方、クラスメイト、OB・OGとの学びの機会を与えていただいたことに大変感謝しています。また、講義を通じて様々な方々と人的ネットワークを築けたことは、MBAの学びの中で最も価値のあるものの一つになったと感じています。

学んだ内容を今後どんな風に生かしていきたいか

現在、国際物流の営業領域に従事していますので、直接的にIR業務に携わることはありませんが、顧客との接点をもつ営業だからこそ、お客様と共にサステナビリティに関する社会課題に取り組むことができます。ACCでの学びを実践に活かして、社会課題の解決に貢献できるビジネスリーダーになれるように、今後も切磋琢磨していきたいと考えています。

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