白木 栄次さん(富士通株式会社 人事本部企業スポーツ推進室 2017年度フレックスコース修了)
私は富士通(株)で仕事に従事しながら、青山ビジネススクール(ABS)在学時にNPO法人「Shape the Dream」を立ち上げました。「Shape the Dream」は学生アスリートのキャリア形成を目指し、スポーツビジネスへの関心や、社会人としてキャリアを進める際に必要な考え方やマインドなどキャリア形成に最も重要と考える要素を抽出し体系化したオリジナルプログラムを提供しています。
私自身、高校からアメリカンフットボールに打ち込み、社会人になってもアメフトチームに所属していました。2014年に念願の日本一になったのを機に引退。一転、ビジネスの最前線で働くことになりましたが、現場で交わされるビジネス会話のレベルにまったくついていけない自分に愕然とし、ABSへの進学を決めました。
ABSを選んだ理由は、企業倫理を重視していることに加え、体験的学習(「青山アクション・ラーニング」)のような、アクティブで実践型のプログラムを中心としたカリキュラムが組まれていたことに惹かれたからです。
NPO法人立ち上げのきっかけになったのも1年次に履修した「アントレプレナーシップ」という授業でした。社会課題として、アスリートのセカンドキャリアを挙げたところ、グループのリーダーとして、フィールドワークに取り組み、その活動がベースとなりNPO法人Shape the Dreamを立ち上げるに至りました。2年次は、実際のNPO運営活動と授業が極めて密接に連動することになり、得られたものの大きさは言うまでもありません。
もし起業したいと考えているなら、経営全般を学べるMBA取得はとても有効な手段だと思いますし、学校の学びで出会った多様な仲間と繋がれることもその後のキャリアに大きく影響します。もちろん、仕事と学業さらには家庭をも両立させるのは簡単ではありません。在学中に第2子が産まれたのですが、妻や家族の理解があったからこそ、やりたいことを実現出来ました。
私が入学前に一つだけ決めていたことがあります。それはどんなに辛いときでも、一番前の席に座って授業を受けることでした。自分の挑戦にサポートしてくれる人のためにも、想いを込めて全力で自分の役割を果たす。それは私がアスリート時代から心に刻んでいることでもあります。
現在、私は富士通(株)人事本部企業スポーツ推進室という部署で働いています。企業スポーツが減少している中、富士通は日本を代表する企業スポーツチームを1つも廃部や休部をせず保持し続けています。また、東京2020に向けてもスポーツ×ICTに大きく貢献したいと考えています。ブームで終わらせるのではなく、NPO活動もさらに進めていき、スポーツが持つ可能性や価値をさらに高め、スポーツというツールを持って社会を元気に幸せにしていきたいと考えています。
そして企業でキャリアを積みながら、NPO活動を通じて社会貢献もできる。そうした 働き方のロールモデルにもなりたいとも思っています。