松元 涼子さん(2017年度フレックスコース入学)
外資系企業の広報という仕事がら、出張が多く、夜間の電話会議への参加もあることから、当初は仕事を続けながら学校に通うことは半ばあきらめていました。しかし、ABSで行われていた社会人向けの短期コースを受講したことをきっかけに、視野をもっと広げたい、実務として携わってきた広報やマーケティングの仕事をもっと深く理解したいという気持ちが芽生え、一念発起して受験しました。
学校選びに関しては、青山学院女子短期大学とその姉妹校の卒業生であることから、再び学ぶ機会があれば、大好きな学び舎を選びたいという気持ちがありました。しかし、一番の理由は2年時に履修することができる青山アクション・ラーニングの存在です。個々人の興味分野に応じた選択肢がある中で、広報やIR、アナリスト・リレーションズを深く学ぶことができる「アドバンスト・コーポレート・コミュニケーション(ACC)」が開講されているのが最大の魅力でした。広報やIRに焦点を当てたMBAコースを持っている大学院はめずらしいと思います。
フルタイムの仕事をさせてもらい、高いレベルのコミットメントが前提とされている会社員としては、仕事をおろそかにするわけにはいかない、という気持ちを常に持っています。まわりのクラスメートを見ていても、同様の気持ちを強く感じます。そのうえで、敢えてMBAに通うという選択をしたからには、納得いくまで授業や課題に向き合い、教授や講師の先生方やクラスメートと議論し、自身の知識の幅を広げ、今後のキャリアや人生に役立てたいという思いがあります。
必修科目が多い1年目は、経営戦略、組織行動、マーケティング、アカウンティング、ファイナンス、オペレーションズなど、幅広い分野の授業を同時進行で受けるため、覚悟していた以上に大変な日々となりました。仕事の繁忙期や出張とレポートが重なると、ほとんど涙目になりながらも授業を受け課題をこなす日々でしたが、驚いたことにどうにかなるものです。テスト当日には有給を取らせていただいたり、フレックス制度を利用しました。また、出張時の打ち合わせを午前中にすることで午後のフライトで東京に戻り夜の授業に出るなどの工夫や、課題のグループワークを共有ネットワーク上でバーチャルに進めるなど、気がつけば仕事と学業の両立ができていました。もちろん職場の上司や同僚、家族、友人の理解があって初めて実現することですので、協力してくれた皆さんには本当に感謝しています。
現在2年目の前期を終えたところです。楽しみにしていたACCが始まり、より専門性の高い授業が増えました。一つ想定と違ったのは、当初予定していた広報・マーケティングの深堀りに加えて、「苦手克服」というテーマが加わったことです。苦手なファイナンスを学びたい気持ちが高まり、投資理論など自分には難しすぎる授業を敢えて履修するという余裕も生まれてきました。
ABSで学んでいるのは、戦略や経営、マーケティングなどの理論や知識、応用力だけでなく、心の持ちようであると感じています。最初から「出来ない・無理」と決めつけたり、「自分の分野ではないから」と避けてしまうのではなく、柔軟な気持ちを持って前向きにチャレンジする心が養われたと感じています。
企業広報の現場では、経営陣やリーダー達とやりとりをすることが多く、彼らは経営のプロであることはもちろん、知性とエネルギーに溢れた人々です。彼らと仕事をするにあたり、MBAの授業で得られた知識や、経営者の視点でビジネスを考える重要性を学べたこと、そして柔軟かつ強い気持ちを培うことができたのは、仕事の現場でも今後生きてくると思います。
ABSの授業ではグループワークも多く、普段の仕事では会うことのないような異業種の人や世代の違う人などと話す機会が増えます。彼らとの会話や、真摯に課題に向き合う姿勢から、多くの気づきを得ました。社会人生活が長くなり、同じ業界や職業の人たちとのやり取りが増えると、知らず知らずのうちに視野が限定的になっていたと感じます。ABSに来て、多様性が生む価値、新たな刺激の大切さを実感しました。
また、ABSの良さはプログラムの充実度はもちろんのこと、クラスメートや教授陣の人柄の良さが作り出しているものだと思います。クラスメートが勉強に打ち込みながら、同時に仕事やプライベートで人生の大きなイベントを乗り越えている姿を見ていると勇気をもらいます。素晴らしい人々に囲まれて学べる環境に感謝しつつ、来春の卒業・MBA学位の取得を目指して引き続き精進したいと思います。