2019.11.19
10月18日(金)に、2019年度第2回青山MBAフォーラム「イノベーションへの問い:世界を変えるアート思考」が青山キャンパス17号館にて開催されました。
産業界での経験が長く、現在はアートと産業が出会うプラットホーム構築に精力的に取り組んでいる長谷川一英氏(株式会社E&K Associates代表)と、彫刻家として世界を舞台に独自かつ多様な作品を生み出し続けている名和晃平氏(彫刻家/SANDWICH主宰/京都造形芸術大学教授)をお招きし、それぞれの視点でアートとビジネスについて語っていただきました。
第一部は、長谷川氏にご登壇頂き「イノベーションのドライバーとしての現代アート」というテーマで、企業における「アート・シンキング」についての取り組みや、アーティストが関与したイノベーション事例を、具体的な調査データなどをふまえ、ご紹介いただきました。アートがビジネスにいかに影響をおよぼすか、イノベーションの現場においてのアート思考の有用性を分かりやすく示されました。
第二部は、世界的アーティストである名和氏に「アーティストとしての視点・思考について」というテーマでお話いただきました。彫刻教育を受け、様々な素材と、テクノロジーを駆使し、時代を敏感に映しとる作品を次々と生み出してきた名和氏の、作品構想・制作過程における、その独自の思考・視点について貴重なお話を聞く事ができました。
「アートは人を自由にする『可能性』の世界で、『もの』でも『こと』でもある」という定義を提起し、その「『可能性』の世界」を支え、アーティストを育てる支援の仕組みが必要だと述べられたのが印象的です。
最後は、来場者とのQ&Aセッションを通し、議論がさらに展開しました。「デザイン」と「アート」の違い、作品が置かれた環境と作品概念の関係、アートの個人性と普遍性についてなど、補足解説していただきました。これからさらなる企業とアートの幸福な出会いと社会全体の支援体制の整備に願いを込めて、フォーラムが閉会しました。
雨にもかかわらず、100名以上の方にご来場いただき、ビジネスにおけるアートシンキングへの注目の高さを改めて感じるひとときとなりました。