2018.05.21
3月17日(土)青山ビジネススクール(ABS)にて、ABSの中野勉教授の司会により、コペンハーゲン・ビジネススクールのロビン・ホルト教授のセミナー発表を行いました。
Seminar Talk by Prof. Robin Holt from Copenhagen Business School entitled “Judgment and Strategy”
Date and location: 18:00-20:00 March 17, 2018 @ Aoyama Business School
ロビン・ホルト教授はデンマークのコペンハーゲン・ビジネススクールで戦略と哲学について、急進的な議論を積み上げる高名な研究者で、今回のセミナーの内容は新作 「Judgment and Strategy (Oxford University Press, 2018) についての発表でした。ビジネススクールの企業戦略論で広く使われるポーター (Michel Porter) のポジショニングや 資源ベース論からの考え方、ミンツバーグ (Henry Mintzberg) の組織をvision に向かって全体として動かそうとするなかで浮かび上がる戦略の捉え方に加え、これらを否定し、戦略を様々競争の中での個人の生存競争への本能と捉える3つの可能性が提示されました。その上で、2x2の図表などに落とし込むことによる情報の操作と矮小化の危険を指摘し、戦略の実体はもっと曖昧模糊とした抽象的なものであるとの主張が展開されました。組織戦略と民主的な社会との関連について示唆に富む発言をしていただいたことは、なぜダイバーシティが大事なのか、異なる見方や価値観を大事にすることによる豊かな学術や社会のあり方、また、組織の力学の中で生きていく中で、各自が社会の諸問題にどう位置取りしていくのか深く考える問題提起をしていただきました。