2023.07.10
本書は、メーカーの流通チャネルや小売業の機能など、いわゆる流通論の基本的な内容を踏まえながら(第1部)、現在急速に進んでいる構造的な大変化「アマゾン・エフェクト」「メルカリ・エフェクト」「SDGs・サーキュラーエコノミー」などについて(第2部)も解説したテキストである。各章には、オリジナルの概念図、一歩踏み込んだテーマを取り扱ったコラムや最新の事例を多く盛り込み、わかりやすく丁寧に説明している。
さらに、構造的な変化が特に著しい「ファッション・アパレル」、業態としての長い歴史の中で様々な環境変化に適応してきたが、現在まさに構造的課題に直面し、それらをいかに解決するか模索する「百貨店」、新しいマーケティングの仕組みとして注目する「コミュニティ型マーケティング」について議論し(第3部)、最後に、これからの流通のあり方について、新しい論点を提示する構成になっている。
共著者の内海里香氏(文化ファッション大学院大学教授)は、2023年度、ABS「マーケティング」(デイタイムコース)の担当者でもある。
すでに、大学教育関係者から本書は「タイトルの通り、標準的なテキストとは一線を画する斬新な構成と内容になっている」「基本的な分析視角の修得、流通事象に対する関心の喚起、今後の新しい流通のあり方の展望といった3つの目的に適した良書」との評価も寄せられている。