本書は、企業マーケティングで先行事例が多い、青山に本社あるいは旗艦拠点を構える「青山企業」を対象として事例研究し、マーケティングの新しいフレームワークを導出したものである。宮副教授とビジネススクール修了生(社会人)が1人1社を研究するスタイルは、『ケースに学ぶ青山企業のマーケティング戦略』(2015年刊)と同様であるが、前著より革新度の高い内容になっている。
すなわち、①企業が創造する価値をより顧客志向で捉えサービスを含めたデザインとすること、②対象を購入以前に価値に共感する潜在顧客も含めた「コミュニティ」と捉え継続的なアプローチを行うことなど、新しい企業と顧客の関係性を提示している。本書で取り上げられた事例企業は、コム デ ギャルソン、ヨックモック、ナチュラルハウス、アクタス、ニュートラルワークス(ゴールドウイン)、東京ヤクルトスワローズ、エイベックス、ほぼ日、きらぼし銀行、マッキャンエリクソンと、業種的にもメーカーから小売、サービス、エンターテインメントなど多岐にわたり、そのいずれにも「コミュニティ型マーケティング」の考え方が適用されることを説明している。
なかでも「コム デ ギャルソン」は、ファッションやクリエイティブで多く紹介されても、経営・マーケティングの観点で紹介されたことはほとんど前例がないと思われ、その点でその記述内容が特に注目される。
発行: | 中央経済社 |
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発行日: | 2022年1月5日 |
ISBN-10: | 450240361X |
ISBN-13: | 978-4502403613 |
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