インターネットビジネスプロジェクト(IBP)を履修する意義

ビジネスに不可欠なインターネットの知識と実践を伴ったビジネスプランニングを、グループで体験できます。

小谷 恵子さん(2012年フルタイムコース入学 2014年博士課程入学)

あなたは、ビジネススクールで何を学びたいと思っていますか?インターネット・ビジネスなんて自分は考えてない、部署だって別にインターネットやITと関係ない、と思っていませんか?IBPは、そんな方に是非履修してもらいたい科目です。IBPでは、自由発想的にビジネスを生み出すのではなく、インターネットの世界を十分に活かすビジネスを、ある取決めの中で実践していきます。これは、社内の新規プロジェクト立ち上げで招集されたグループと考えるのが一番近いです。期間や経費に制約があり、他のグループから配属された人のことはあまり深く知らず、これまでの自分のキャリアとは全く違うクリエイティブな思考が求められ、市場調査から行って、新規ビジネスに説得力を持たせるところまで作り上げていく、そんなプロジェクトです。このプロジェクトで履修者は、単なるITの技術を身につけるだけではなく、プロジェクト・マネジメント能力やコミュニケーション能力を高めていきます。

グループは、フルタイム/フレックス、日本人/留学生が入り混じり、年齢も性別も育った環境も様々。グループの中でどんな立ち位置を取るかによって、学ぶことも少し変わっていきます。ITの技術をしっかり身に着けることもできれば、グループ内のマネジメント力を鍛えることに注力することもできるし、プログラマーとのやり取りでコミュニケーション力を上げることも、潜在顧客の調査でリサーチ力を上げることもできます。もちろん、全部やることも。

私たちのグループは、一貫して海外からの旅行客を取り込むインバウンド対応をテーマにしてきました。外国人向けの日本の観光サイトの比較から始まり、日本の文化や歴史、地理をテーマにしたクイズ形式のAndroidアプリや、地元へ観光客を誘致するための散策コース紹介サイトを制作しました。学びは机上に終わらず、実際に手を動かさなければなりません。皆でいろんな壁に当たりながらも、現実にアプリやウェブサイトという目に見える成果物を得られた喜びは大きかったです。

最終的に考えたビジネスは実現には至っていませんが、観光庁の訪日外国人3000万人プログラムや2020年の東京オリンピックに向けて、さらにインバウンド対応を加速させなければならない中で、IBPにおいてこの問題を考える機会を得たことは非常に有意義でした。現在は、博士課程でマーケティングの研究をしながら、外国人向けに下町を紹介するOld Town TokyoというサイトをFacebookとBlogで展開しており、インバウンド・マーケティングの実践も引き続き行っています。

他学にはないABSの体験的学習プロジェクトの中でも、IBPで経験できることは、みなさんが今後活躍の幅を広げる上で大きな力になると考えます。