総合的なアプトプット能力を向上するBA

全ての知識をフル活用してアウトプットする体験から、これまでに学習した内容がつながる感覚を得ました。

松浦 瑞樹さん(2016年フレックスコース修了)

1. BACCS(企業評価)の概要および目的

BACCS(Business Analysis for Corporate Communication)は、前期・後期の2部構成となっています。前期は、1年次の復習も兼ねて、会計・ファイナンスを中心とした総合的な知識の底上げを図るための数々の課題に取り組むことにより基礎力を養成します。

夏休みから後期にかけて、グループワークなどを通して、断片的だった知識を総合的に活用する機会が徐々に増加し、分析力、仮説構築力、洞察力を向上させていきます。最終課題では、バイサイドアナリストの立場から、任意の3社についてそれぞれ「買い」、「中立」、「売り」推奨を記載したアナリスト・レポートを作成します。

アナリスト・レポートと聞くと、会計・ファイナンス中心の授業を思い浮かべることと思いますが、実際は、マクロ・ミクロの視点からの幅広い経済情勢の分析、各業界動向、経営戦略、マーケティングおよび組織戦略などの様々な視点から分析・洞察を行い、説得力のあるレポートを仕上げていきます。

このプロセスでは、全ての知識をフル活用し、アウトプットすることが求められるため、ABSで得た学びを「血肉にする」体験を得ることができます。

2. 受講により得られるもの

1年次終了後に開催されたBACCSの説明会では、「卒論に匹敵する成果物を求める」との説明を受け、相当な覚悟で受講を決意しました。実際に始まってみると、前期は基礎固めのため、毎週のように会計知識習得のための課題を提出し、夏休みにはグループワークでアナリスト・レポートを作成するなど、息つく間もない忙しさでした。

ピークは、12月上旬が締め切りの中間発表会に向けた、最終課題中間提出に向けた作業です。レポート、財務諸表、プレゼンテーションをセットとして成果物を提出しますが、数字の裏付けを確認しながら3社を分析したレポートを作成するのは、膨大な資料の収集・分析を必要とします。並行して受講している他の授業も手を抜けないのは当然のこと、海外出張が重なり本業も多忙を極める中で、時間通りにレポートを提出できたのは、非常に大きな自信となりました。

なお、「BACCS効果」として、レポートの追い込み期間中に業務上で作成していた、各種のプレゼンテーションや報告書などにつき、上司や同僚から数々の賞賛をいただいた事を付記しておきます。当該期間中は、目に見えて能力の向上を実感することができ、人生のなかでも貴重な経験を得られました。

3. 先生・他の受講生との関係

個人的には、前期の授業を出張で欠席することが多く、講義の内容に一部ついて行けなくなりかけましたが、疑問点を先生方にフォローいただくことにより、なんとか後期につなげることができました。どんな疑問にも、ほぼ即日回答をいただき、先生方には改めて感謝いたします。

また、幅広い内容を扱うため、中には苦手な分野もありましたが、他の受講生と互いに教え合いかつ学び合うことにより、最終成果物の提出までつなげることができました。グループワーク・個人ワークとも、仲間と励まし合いながら締め切り直前までベストを尽くしたのは、良い思い出です。

4. 受講を検討している皆様へのメッセージ

ABS卒業にあたり、これまでに受講した科目を振り返ると、BACCS受講を通して総合力的なアウトプット能力を養成し、各科目の学習内容が「つながる」感覚を得ることができたと感じております。ビジネススクールの醍醐味は、多様な科目の受講を通して得られる視野の広がりもありますが、単科受講との大きな違いは、科目の枠を超えた有機的なつながりによる「総合力」を得られることだと考えます。

ビジネススクールでしか得られない、「総合力」を向上させるため、是非ともBACCSの受講をお勧めします。