ビジネスの基礎を学び、かけがえの無い仲間と過ごした2年間

大多和 裕志さん(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 2012年フレックスコース修了)

現在私は、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社でマーケティング職に従事しております。ABS入学前は、国内市場を中心とした仕事に関わる事が多かったのですが、卒業後は、海外市場に関わる業務が増え、改めて文化を越えた多様性の中柔軟に対応出来る事の重要性を強く感じております。

なぜ大学院?なぜABSだったのか?

社会人で大学院に通う人、もしくは検討している人は、それぞれ異なる目的意識を持っていると思います。私の場合は、一言で言うと「我流」からの脱皮であったと思います。大学卒業後、社会人として10年間の日々、目の前の仕事と向き合う中で、経験が大きく自己を成長させる事を認識致しました。その過程で、会社は、常に新しい成長の機会を提供してくれました。一方で、徐々に複雑性が増し、責任の大きい仕事を担う様になり、1つの不安を頂くようになりました。それは、経験と共に形成された“自己流”で物事を見る傾向が強まって来ている事でした。ビジネススクールから得られる物は、多岐に渡ると思われますが、私が求めた物は、異なる業界から様々な見識を持った仲間と、ビジネスのフレームワークを徹底的に学びながら、多角的な視点で物事が判断出来るようになる。つまり、自身の枠を広げたかったのです。

国内外様々なビジネススクールがありますが、ABSは1年次に学問の視点からビジネスを捉える為の基礎を学びます。つまり経営に携わる基礎を習得する事になります。2年次にはその基礎を元に自分の専攻する分野を選択肢し、さらに専門性を高める時間に身を置く事が出来ます。まさに「選択と集中」。限られた2年間で、学ぶ環境としては、まさに理想的なカリキュラムであったと思います。

2年間の学生生活

社会人と学生生活の両立に関して、ある程度想像しておりましたが、生活のリズムに慣れるまでは大変でした。会社の上司や、人事の方、そして周りの方のサポートがあって両立出来た事は言うまでもありません。特に、社会人経験であまり馴染みの無い領域を学ぶ事は、決して楽ではありませんでした。しかしそこはビジネススクールの良い所で、必ず仲間にその領域に精通している人がいます。毎晩、夜中の2時頃から、互いの得意不得意をカバーする為に、メールが飛び交っていたあの事を懐かしく思い出します。各講義を担当される先生方も生徒1人1人の聞き手を引き出す様々な工夫をされておりました。先生からの一方的な講義では無く、価値観の異なる仲間と共鳴しあう時間は今でも貴重であったと思います。

修了後の学びとビジネスへの適用

卒業後もこのような環境に身を置く事の大切さを痛感し、国際ビジネス研究学会へ所属する事を決めました。今年、大学院で研究したテーマを元に、人生初の学会発表の経験が出来た事はとても貴重でした。(第19回国際ビジネス研究学会全国大会、研究タイトル「衰退する日本レストラン産業の欧米進出の糸口 -成功する国際競争優位ポジションを探る-」2012年10月28日@桜美林大学)

異なる業界の第一線で活躍する「同じ釜の飯を食べた仲間」とは定期的に合い、お酒と共に大学生活の思い出を振り返ると共に、学んだ事を互いに振り返る良い関係が続いております。

現在の仕事においては、国内市場、海外市場の双方を考察する仕事に従事しております。在学中、「国際ビジネス社会の中でどのような強みを発揮するか」と言う問いに対し様々な視点で考える機会がありました。世界共通のビジネスフレームワークを基に、海外Case Studyを分析し、多様性な仲間と議論を交わしDecision する。その繰り返しは、実際のビジネス環境の中で必要な知識、スキル、多様性に向き合う姿勢を増強する物だったと思います。

在学中に学んだ事を活かし、「国内・海外」及び「実務・アカデミック」の双方の何れかに偏ることなく常にアウフヘーベンを想像し、仕事を通じ社会に貢献して行く事がABS卒業生として私のあるべき姿だと思っております。