2015.08.10

2015年度第2回「青山MBAフォーラム」開催報告

ABSでは、企業経営者や各界の専門家などをお招きして、現在ビジネスの現場で起こっている情報の提供などを通じて、ビジネスに関する知識向上とともにビジネススクールで学ぶ意義などについても考える機会とする「青山MBAフォーラム」を定期的に開催しています。

2015年7月17日(金)に本年度第2回目の「青山MBAフォーラム」を開催しました。今回のMBAフォーラムの特色は、新たな段階を迎えたグローバル化の中で、企業が直面する経営戦略・人事戦略の課題と対応を、経営者と研究者の2つの視点から紹介するという挑戦的ななテーマ設定です。

第1セッションの経営者の視点では、株式会社LIXILグループの執行役副社長の八木洋介氏によって、2001年にTOSTEM、INAX、TOEXなどの合併によって誕生、その後、SANWAVE、新日軽など多くの国内企業の合併による急拡大を経て、近年はAmerican Standard, GROHE など外国企業の買収を通じて急速なグローバル化を図るLIXILグループにおける組織革新の実態が語られました。

続く第2セッションの研究者の視点では、ABSの澤田直宏教授・須田敏子教授の2人によって、キャッチアップ型経営時代に形成され、日本企業の強さを支えた現場重視の改善型・内部資源重視型の経営戦略、長期雇用・年功制が生み出す社員間の激しい競争という人事戦略が、グローバル市場における日本の立ち位置の変化によって有効性を失っていった状況を理論的に説明されました。

今回のフォーラムには、ABS在学生・修了生に加え、企業の人材開発の責任者など、130名以上が参加されました。2つのセッションで発せられた「いまこそ日本企業には抜本的な改革が必要であり、実行するしかない」との強いメッセージは会場の大きな共感を呼んでいました。

八木洋介氏

会場風景