2013.07.12

2013年度「ブランド戦略」(松浦教授)ゲストスピーカー講演レポート

7月2日(火)の「ブランド戦略」授業で、(株)電通ブランドクリエーションセンター小西圭介氏をゲストスピーカーにお招きして、「ソーシャル時代のブランド・コミュニティ戦略」をテーマに、ソーシャル時代のブランディングのあり方と顧客との直接のつながりと共創を生み出すコミュニティ・プラットフォーム戦略について、先進企業の取り組み事例を紹介しながら、講演していただきました。

「ソーシャル時代のブランド・コミュニティ戦略」を受講して
2012年フレックスコース入学 織田島 哲哉

7月2日(火)「ブランド戦略」の授業で、ゲストスピーカーの(株)電通小西圭介氏による「ソーシャル時代のブランド・コミュニティ戦略」についての講義を受けた。

最初に言っておかなければならないことは、この講義を受けて、私のソーシャルメディアに関する取り組みや考え方を大きく方向転換しなければならないと感じたことである。

私は、クライアント企業のWEBサイトやEメールに関するコンサルティング等を行っている企業の代表なのだが、ソーシャルメディアに関する相談を受けることも多々ある。私が考えていたソーシャルメディアに関する取り組みは、とにかく「コンテンツ」であるということであった。顧客の興味・関心のある面白い「コンテンツ」を提供し続けることが何よりも重要で、企業はそれを日々継続していかなければならないという考えを持っていた。

ただ、小西氏の講義の中で、コミュニティ・プラットフォーム成功の要素は「コンテンツ・対話性・関係性・共創性・継続性」の5つであるという説明があった。そして、企業はこの中の「コンテンツ」だけを重視してしまいがちであるが、必ずしもそうではないという。私は、まさしく「コンテンツ」のみに重視する間違った考えで凝り固まっていたのである。「コンテンツ」だけではなく5つの要素をバランス良く考えなければ、顧客が自ら共感を得て、自ら発信してくれるようなコミュニケーションを形成することができない、ということである。

さらに大きくうなずく説明があった。それは、企業は、顧客を囲い込むという発想をやめて、むしろ自ら顧客の方に出て行かなければならないということである。企業が自ら出て行くことで、顧客との接点を増やしていかなければならないという。私の関わっているクライアント企業は、まだまだ囲い込もうと必死になっているように思える。囲い込むのではなく、一緒になって創りあげるという発想でなければ、今のソーシャル時代のブランドコミュニティは形成できないと実感した。

最後に、この講義はソーシャルメディアに限定した内容ではなかったが、私個人の仕事内容から、ソーシャルメディアという概念で講義を解釈する方が理解が深まったので、そのように捉えた。しかし、重要なことは、ソーシャル時代の現在の企業は、ブランドについての情報を一方的に発信するのではなく、いかに顧客と一緒にブランドを創りあげるか、顧客にいかにマーケティング活動を手伝ってもらうかという発想に切り替えていく必要があるということだ。そのためには、企業は、自らソーシャルの中に出ていく必要がある。そして、顧客と積極的にコミュニケーションをとる必要がある。これがこの講義で学んだ最も重要なことであると考える。